第10話「明日路」

「とりあえず、カード全部見つかったね」

不意に後ろから声をかけられた

「あぁ…金子君」

「…多分なんだけど…このカードって君が作った物じゃない?」

「うん、これは誰か…いや、多分俺が無意識に作った物だと思う…何で、そう思ったの?」

俺はカードから感じる念とでもいうのだろうか、そういった感覚的なもので感じたけど
そういった感覚が無い金子君や他の人たちには本当に伝説のGWカードに思えるはずだ

「いや、何となく君の話とか聞いてるとそんな事があっても良いんじゃないかって…」

そういうものだろうか?

「正直、探したときも話ができすぎてたしね…そう、簡単にはみつからないでしょ」

「確かにね、そもそも誰が作ってそこに置いたのか…全然、説明がつかないしね」

まぁ、ポロリ星人が作ったとかなら話は別だけど…DBみたいに

「自分で創った物だから…願いも叶うはずないよね…」

「いや、そうとも限らないよ」

「そうかい?」

「この話はあくまで、俺の推測…というより妄想だけど藤田君の力ってかなり凄いと思うんだ
 だって無意識のうちに「人」とか「物」を創ってるじゃん…」

「まぁ、無意識ってのは一番「力」が強くなるときという説もあるけどね」

「とにかく…だから無意識のうちに何かを起こしてるって可能性もあるわけだよ」
「でも、俺の力は多分、そこまで強くはないよ…それができたら世界征服とかだってできちゃうだろ?」

「いや、それをどれだけ願ってるかって所も関係あると思うよ…君は世界征服なんか願わないだろ?
 強く願えば叶うかもしれない…それに」

「それに?」

「もしくは、この力が君のものでなく、他の人の力でも事態良い方向へ向かっている…
 逢いたい人が逢えるぐらい世の中都合が良くてもいいと俺は思うけどね…」

「そうかな?」

「そうだと、思うよ…俺も協力するからさ」

「ありがとう…ここまでこれたのも君のお陰だよ…本当にありがとう」

「いや、いいって」

確かに…今なら全てが上手く行く気がする…

「よし…じゃあ、秋田に戻ろう…そこで、全てが終わる気がするんだ」

そう、全ての始まりのあの場所へそこで全てを終わらせるために