第4話「星降る夜」

黒木:さて、広島に来たわけですが

中村:え〜と、宮島に行くんだっけ?

田中:お前が行きたいだけだろ?

金子:で、今回は何処にあるのかな?

黒木:何でも、金本君も数年前から探しているけど見つからないらしい

中村:彼、地元だからね

黒木:とりあえず藤田、妖気感じないか?

田中:おに太郎きゃないんだから…

黒木:似たようなもんだろ?で、どう?

藤田:う〜ん、特には感じないけど…

中村:どうする?

藤田:そうだ、地図ある?

黒木:地図?…ある?

中村:ない

田中: 日本地図ならあるぞ

藤田:それじゃ無理

田中:ダメ出しかよ…

金子:GPSならあるけど…だめだよね?

藤田:…やってみる

小坂:できるの?

田中:俺の地図はGPS以下か…

中村:普通、地図よりGPSの方が強いと思うぞ

藤田:う〜ん…

黒木:正に電波を受信しているな

田中:ここにいる人間は多かれ少なかれ受信しているけどな

藤田:…ん?…こっち…かな?

小坂:分かるんだ…

中村:第六感なんてそんなもんだろ

***

黒木:で、こんな山の中にあるのか?

金子:山の中だと電波受信できないんじゃ

藤田:近くまでくれば後は分かるから…

小坂:そういうもん?

中村:シックスセンスなんてそんなもんだろ

***

小坂:ハイキングコースからだいぶずれてるんですけど、大丈夫?

中村:むしろ、道じゃない

黒木:これで、遭難したら 相当叩かれる

田中:縁起でもないこと言わないでくれ

金子:…どう?

藤田:…木が多くて…

中村:電波の調子が悪い?

藤田:…ノイズが多い…寒い…悲しい…

黒木:あの〜藤田さん?変なもの受信しなくて良いからね

中村:でも、ここって「出そう」だな

田中:縁起でもないこと言わないでくれ

藤田:…多分こっち

小坂:変なとこに誘い込まれているとかないよね

中村:あー岩ちゃん連れてくれば良かったー!

黒木:確かに、彼がいれば 奇跡ぐらい起きそうだからね

藤田:…ここ、かな?

小坂:…社?

中村:仙人でも住んでそう

黒木:…中には…あった…カード…

藤田:…存在しない人間…ね

小坂:速く帰ろうぜ…

金子:じゃあ、藤田君、帰りもお願い…

藤田:え?何で?

田中:いや、行きみたいにこう…イタコっぽく

藤田:それは目標物があったから…今はないから

黒木:無理ってこと?

小坂:…マジかよ…