「…ついてきちゃって良かったのかな?」
「一緒に来て欲しかったんだ」
この扉の向こうに彼女がいる…7年間待ち続けた人が
ゆっくりとドアをノックする…返事は…ない?
「あれ?」
もう一度、ノックする
…やはり、返事はない
「開けちゃって良いのかな…?まずいかな?」
「どうだろう?病室のプレートは彼女の名前っぽいし…いいんじゃない?我慢は身体に良くないよ?」
「うっ…そうだね、よし!入りますよー?」
ドアを開けると…中には誰も居なかった
それどころか、備え付けのものしかなく人が居た雰囲気すらなかった…
「あれれ?」
「…留守?」
「留守というか…人が居た雰囲気すらないよね?」
「…う〜ん」
「はぁ…ん?」
「…Entschuldigen Sie mich. Koennten Sie mir Ihren Namen sagen?」
軽く落胆していると、ふと背後から声をかけられた…
「え…あっ…」
振り返った瞬間、言葉を失った
視界が涙で霞み、何も見えなくなっていく
でも、そこには確かに
確かに、俺が7年間待ち続けた…大好きな人の姿があった