第2話B
藤田:ここに来るのも
久し振り
だな
藤田はホビーショップの前でそう呟いた
真新しい看板には<グリーン・ノア>と書かれていた
藤田:改装したのか…おっと自動ドアになったか
改装はしたものの
狭い店の中は漢達の
夢で溢れ返っていた
藤田:デゥアルスペースは奥か
店の奥は
テーブルとパイプ椅子
だけの
簡素なスペースに熱気がこもっていた
藤田は一番近くのテーブルに座っている
集団に声をかけた
藤田:すみませんが、この人達知りませんか?
中に居たメガネをかけた美形の男が震え出した
美形:この人…いや、このお方は牌満さんじゃないか?
男2:隣にいるのは汚夢さん…
藤田:知ってるんですね?
男3:あぁ、この店を仕切ってるチーム…いや、団体さんの
男2:リーダーと幹部…
藤田:今、何処にいるか知ってますか?
男3:今日はたしか定例会だからシティセンター…は改装中だから公民館だ
藤田:ありがとうございます
美形:まさか、行くのか?
美形の男はまだ、震えていた
藤田(そんなに震えちゃ折角の顔も台無しだ…)
男2:気をつけた方が良いぜ、色々あくどい事やっているからな
男3:もっともその影響で中でも色々揉めているそうだが…
藤田は「じゃあ」とだけ告げて店を発った
牌満:今月の儲けは?
汚夢:はい、カード転売で6万、
空プレゼントで1万です
牌満:いやいや、空プレゼント作戦は良いな!
汚夢:はい、当選者なんかいないのに皆クリックしてくれます
赤星:もうやめませんか?牌満さん
汚夢:貴様!ここは”クロウザー”だ
一般常識や良識
は通用しない!
赤星:ここはTCGをやる集団で儲けをする所では無い!
汚夢:ほう?貴様、逆らうのか?
赤星:もう、ついていけません
汚夢:よし、ではTCGで勝てたら許してやろう、負ければ…1万だ
赤星:なっ!金を取るのか?
反抗派@チキン:(せこい連中だ)
革命派@小心者:(犯罪じゃないのか?)
???:あいかわらず汚いことやっているな!
汚夢:お前は…藤田か…
藤田:最近ではTCGを金儲けの手段としか思ってないそうだな
汚夢:どんなにやっても負けないのでな…それに良い金になる
反抗派@チキン:(競馬とかじゃ駄目なのかな?)
藤田:「力」を使わなければ楽しめるだろ!
汚夢:折角ある「力」だ使わなければ損だろ?
赤星:他の事に使えば良いじゃないですか!
反抗派@冷静:…仕事何やってんすか?
牌満:…プロ雀士
汚夢:(競馬等の)
予想屋
革命派@小心者:(既に力を使って仕事してたのか…)
藤田:だったら尚更、TCGくらい力を使わなくたって…
赤星:もう駄目だ、藤田君…彼らは戻れない道を進み始めている
藤田:なら、せめてやめたい人間は辞めさせてやってくれ
汚夢:貴様が掛け金1万で勝負するか…?
牌満:…では、これでどうだ?
藤田:?
牌満:君は今、GWをメインにやっているそうだね?
藤田:あぁ…今はネオ・サブマリーンズというチームに所属している
牌満:確かWCGWが近かったはずだ…そこで
藤田:そこで?
牌満:ウチを脱退したい連中とチームを組んで団体部門で我等に勝ったら…TCGから身を引こう
反抗派@チキン:…もし、負けたら?
牌満:我等の仕事を手伝ってもらう
赤星:(
天使の輪計画とかいうヤツか?)
藤田:いいだろう…参加する人はいるか?
赤星:俺も出る…元々GW担当だから足は引っ張らないつもりだ
その他:すまない藤田…GWはルールも分からないから…参加する事はできないんだ…
藤田:大丈夫!必ず勝って見せるさ…でも後一人必要だな
福原:私も参加しよう…GWは初心者に近いが…
汚夢:初心者でも「力」を使えば勝ち残れるだろう
赤星:…汚夢!悪いが「力」を使う気は無い…だろ?藤田君
藤田:あぁ…実力でお前等をこの世界から追い出してやる!
次回「タイムリミット」
予告:メンバーが一人減ってしまったMSN!
申し込みまで時間が無いなかどうするのか!?