第1話「駆」
僕の名前は金子 真
みんな「金子」「かねやん」「真」とか呼んだりする
最近、僕には1つ悩みがある
それは…
父:…それで、真よ「あの」話はどうだ?
真:親父…まだ、結婚とかって早くないか?
父:いや、普通お前ぐらいの歳になると考えるものだぞ…
真:(普通はこの歳で結婚なんて考えないと思うが…)
父:何も今すぐとは言わん!会ってみるだけでもどうだ?
真:(父さん法律的にも「今すぐ」はかなり際どい所があります)
父:いつまでも遊んでばかりいないで少しは将来も考えろよ…
真:言われなくても考えてるよ
父:よし、じゃあ会いに行け
真:ちょっと待て、「じゃあ」の意味が良く分からないぞ
父:…ふぅ〜
ピロピロピロ
真:悪い
父:真、家では携帯の電源はOFFにしなさい
真:(じゃあ、何処でONにするんだよ…)
父:誰からだ?
真:聞くな
父:…これか?
そう言って父さんは小指を立てるんです
真:違う…ノリから
父:で、用件は?
真:だから聞くなって!
父:だがな…その携帯は一応、紙の上では私名義なんだが
真:!…なぁ、親父
父:どうした?
真:その、今度の休みに大阪に行きたいんだけど…
父:それは聞いている
真:ここからだと結構、金かかるだろ?
父:そうか?
真:それで、どうにかしてくれってノリから…
父:お前、友達からどう思われてるんだ?
真:…何だろうな?
父:よし、良いだろうチャーターしてやる
真:マジ!?サンキュー!
父:ただし条件がある
真:…どうせ、会いに行けって言うんだろ?
父:違う、結婚しなさい
真:まぁ…落ち着けって
父:…分かった、まずは挨拶に行くだけで良いだろう
真:了解。で、何処に行くんだ?
父:秋田だ
真:秋田か…遠いな
父:とりあえず、お前が大阪に行く次の休みだ
真:日帰りで大阪行って、その後すぐに秋田かよ…
父:若いな
真:…
次回「強威」