第5話「現想」
藤田:どういう事なんだ?
裏鬼:つまり、我々は君が創りだしたものだ
福原:…創りだしたもの?
天堕:そうだ、彼の持つ「力」によって作られた存在…
赤星:藤田君の力で…?
藤田:だが、俺はあんた達を作った覚えはない
裏鬼:当然だ、無意識の中で創られたのだから…
鹿島:そもそも、君は自分の「力」が何なのか分かっていないだろう?
福原:たしか藤田君ってちょっと勘が良いのと簡単な治癒能力があるんだっけ?
赤星:後、念動力でアルミ製スプーンとか曲げれるんだよね
藤田:あぁ、他にもあるけど…種類は多いかもしれないが特出したものは無い
裏鬼:…そう、「今」の君が意識的にできるものはそうだ
鹿島:しかし、君の潜在能力はそんなものでは無い
天堕:既に何種類もの力を持っている時点でも分かるだろう?
裏鬼:もし、君が最大限の力を発揮すれば…念動力で大陸を動かすこともできる
福原:そんな力が!?
天堕:しかもそれは1例に過ぎない…
赤星:凄いな
藤田:でも、俺はそんな力持っちゃいないし、必要も無い
裏鬼:だが、現に我々を創造する力はあった
藤田:だからそれは俺も知らない
鹿島:そして、「必要」もあるのではないのか?
藤田:…どういう事だ?
天堕:そこからは分からん
裏鬼:恐らく我々は君が必要だと思ったから作られたのだろう
鹿島:そして、どうやら我々の役目は終りのようだ
藤田:何?
鹿島:もうすぐ、私達は消える
福原:…何故なんだ?
天堕:創造主である彼がそうしたからだ
藤田:…
裏鬼:君の勘が良いという力、それは増せば未来が見えるという事だ
鹿島:その「未来」に我々を必要と感じ君は我々を作った
天堕:そして、「今」その役目が終わる…これが意味する事は分かるな?
藤田:…あぁ、何となく
裏鬼:では、我々はそろそろ消えるようだ…
鹿島:さらばだ
福原:…消えた
赤星:う〜ん、でも色々と疑問が残るんだあよなぁ
福原:例えば?
赤星:藤田君がGWを始めるよりも先に奴らはGWをやっていたし
何故かRヘラアと名乗り、日本各地を転々としていた…
福原:…何でだろう?
赤星:ついでに奴が言ってた「これが意味する事」が分からん
福原:藤田君は分かったんだろ?
藤田:…つまり、俺が無意識下で未来を予測しGWが何かに必要だと感じたから
GWをやっていたのだろう、そして恐らく各地にいたのもその未来に何か
関係があるからだと思う…
福原:つまり全て「必要」だからなのか?
藤田:多分
赤星:じゃあ「意味する事」は?
藤田:そのまんま、奴らがさっきまで言ってた言葉で俺へのアドバイスは終了って事
福原:…なるほど
赤星:でも、意味はあったのか?
藤田:俺自身が気付いていない「力」に気付く事ができただろ?
福原:ふむ…
赤星:でも、一体未来って…
藤田:恐らく俺のさ「最大限の力」を使うときだな…