何となく…全てそう 自分の行動には明確な理由がないような気がした 高校だってそうだった 何となく、良さそうだった とりあえず、家から近かった 理由はいくらでもあがるけど、これといった明確な理由はなかった きっと自分はこのまま、何となく大学に進学してその後なんとなく親の会社を引き継ぐだろう これで良いのか?と思わなくもない ただ、良くないという理由も浮かばないだけだった 帰宅部なのもそうだ、どの部に入る気もしなかった その代わり、クラスメートに誘われたカードゲームは何となくやっている なんかほぼ、毎日やっているから部活とそんな変わらない気もしてくる これにしても、ただ、クラスメートの中村紀宏に誘われたからだ そして、この中村が俺を誘ったのもなんとなくだろう 交友関係はそんなに広くない、ただ狭くもない これといって深い中の人間もいない、でも一緒にバカをやったりもする もしかしたらこれが自分に一番欠けているのかもしれない −親友− 何でも話し合えるような友達でもいたら何か変わるかもしれない あるいは将来を一緒に夢見る恋人でも良い とにかく、自分を変えてくれるような存在が欲しい そして、それはすぐ近くにあるようにも感じた 中村が教えてくれたゲームで俺の生活は少し変わった そんな些細な変化でも俺にとっては大きいものなのかもしれない 例え遊びでも何か一つのことに熱中できれば良い そこに理由は要らないから そうすれば、自分は変われるだろうか? 将来が見えてくるだろうか? 答えはわからない… でも、今はこのゲームにそんな期待を抱き続ける