「暇だ…」
何故、こんなにも暇なのか?
考えるのもかったるいけど暇つぶしに考えてみる…
「…かったるい…」
どうやら、暇つぶしにはならないようだ

「みんな、受験とかで遊んでくれないし…」
もしくは自分も勉強しなくてはならないのかもしれないけど
とりあえず、今やる気にはならない
勉強なんて朝夜やれば良いと思う
それで、昼遊べば良いと思うんだけど
それを友達に言っても
「俺たち、お前と違うから…」
とたいてい言われる
じゃあ、俺はどうすれば良いんだよ?
皆と一緒に夏期講習でも行けば良いのか?
お金もったいないじゃん?時間もったいないじゃん?
むしろ、今とっても暇じゃん?
「はぁ…ゲーム買う金もないし…本屋でも行こうかな…」
***

「う〜ん、この辺の雑誌はたいてい読んだし…」
たまには経済誌でも読んでみようか?
…やめておこう
「…非電源系ゲーム?…なんだろ、読んでみよ」
電気のいらないゲームってのは…モノポリーとかそんな感じか?
「へぇ、色んなゲームが出てるんだな〜」
へぇ!ガンダムのカードゲームなんてあるのか〜
「う〜ん、これなら暇つぶしになるかもな…」
とりあえず、財布を確認…うん、買えそうだ
「よし、買いに行くか!」
***

「は〜、だいたいルールは分かったしデッキも作ったけど…」
買ってから気づいた…相手が必要なことに
そして、今俺に付き合ってくれそうな人は…いなかった
「どうっすかな〜」
これって一緒にやる人がいなくちゃ遊べないのが欠点だよな〜
「そういえば、カードショップになんか遊ぶスペースがあったよな…」
そうだ、本にも書いてあったぞ
あそこで遊ぶ人を見つければ良いんだ!
「よし、善は急げだ!行くか!」
***

ん?あの人、俺とタメぐらいだよな…声かけてみよ
「すいません、今お暇ですか?」
「あーはい、相手がいなくて…もしかして、やってます?」
そういって彼は自分のカードを見せた
持っていたのは俺と同じガンダムのカードゲームだった
「はい、俺も相手がいなくて…対戦しませんか?」
「喜んで…実は対戦するのははじめてなんですけど…」
「俺もですよ…丁度いいんじゃないですか?」
その後、彼と対戦していると
他のお客さんや、店員…はたまたレジにいた店長まで集まってきた
最後にはスペースいっぱいに集まった人たちと交流を深めた
***

「あー、面白かった…うん、明日も来てみよ」
「俺も行きますよ…何時ごろきますか?」
最初に対戦した彼とは終わったころにはだいぶ仲良くなっていた
「そうですね…昼過ぎには行くと思いますよ」
「じゃあ、俺もそれぐらいに行きますね、あ!ところでお名前伺っても宜しいですか?」
「いいですよ?俺は黒木知洋です…あなたは?」
「俺は中村紀宏です…今、何年ですか?」
「俺は3年ですよ…同い年くらいですよね?」
「あ、同じですね…俺も3年なんですよ…えっと、じゃあ敬語じゃなくて良いですか?」
「うん…俺もそっちの方が楽だから…じゃあ、また明日…」

その後も彼とは休み中、その店で何度か対戦した
しかし、長期休暇が終わると流石にお互い時間が合わなくなり
店ではもう、会うことはなかった
そして、彼とその後はじめてあったのは
公式大会だった…
以後、彼とはライバルとして幾度と対戦していくことになる
そして、これからもその関係は続いていくだろう…
憧れ続けたその場所へ、一歩でも近づくため
俺たちは歩き続ける…終わりのない道を…