番外編3話「侍野球」

現在、5回裏無死満塁で打者は七番の高橋君

高橋君は捕手でそのキャッチングセンスには目を張るものがあるがバッティングはイマイチ

それでも体が太い…もとい、でかく一発があるので七番での起用だ

GWでもそうだけど一発が狙えても多少のリスクがあるものはメインに置かない方が良いからな

特にGWなんてのはゲームとしてある程度バランスが考慮されているから強力なカードは大抵

コストが高かったり、マイナスのテキストなんかがあってある程度リスクが伴う

高橋君は前述したように体が太、デカイので当然と言って良いのかどうか分からないが足が遅い

所謂、ドカベンタイプ…まさに一昔前のキャッチャーのステレオタイプだ

だから彼のようなタイプを一番に置くのはあまり正解とは言えない

出塁率が低いし、足が遅いのでホームに帰ってくる率も当然下がる

GWでも大きな国力のカードは大量に入れないほうが良い

入れすぎると序盤では使えないので無駄な手札となってしまう

低国力で次に繋げれるようなカードが序盤はやはり好ましいのだ

さて、そんな高橋君に一発が出ることはなく空振り三振で状況はワンアウト満塁へと変わった

ワンアウトだと下手にゴロを打つとそのままゲッツーとなってチェンジになってしまうので注意が必要だ

当然、守備側もそれを狙っての前進守備だ

そんな場面でバッターボックスに向かうのは八番の井場君

彼は今日の試合、先発としてマウンドに立っている

高校野球なんかだと四番でピッチャーというのも珍しくはないが

彼は打撃はさっぱりだ…だから八番なのだけれど

やっぱり彼も先ほどの高橋君同様、どちらかと言えば守備の人

カードにもそれぞれ役割があるように野球のプレイヤーにも役割はある

当然、走攻守の三拍子揃ったユーティリティプレイヤーが最も良いのだろうけど

こんな僕のような人数合わせがいないと試合できないような同好会はもちろん

プロ野球でも(当然プロのレベルの中で)そんな優秀な人はそうはいない

だから、守備が上手い人、攻撃が上手い人、長打力がある人、足が速い人とそれぞれ適材適所にというわけだ

GWもデッキは50枚と限られているわけだからちゃんと構築しないといけない

で、打撃が苦手な井場君は…なんと押し出しのフォアボールだ

彼は打撃に自信がないためか、中々バットを振らずカウントを悪くして凡退するケースが多いらしいのだけれど

今回はそれが良い方向に生かされたようだ…何が起こるか分からないな、何事も

さて、これで3対1の2点差に変わりなおも一死満塁のチャンス

ここで打席が回ってくるのは…僕か!?