「バイバイ、藤沢くん」
「あ…じゃあね、山百合さん」
彼女が教室を出た行った後も俺はしばらくドアを見つめつづけていた
「やっぱ神奈ちゃん、可愛いよな〜」
…そして、人が余韻に浸っているのをブチ壊す野郎の声
「武士、お前<神奈ちゃん>なんて呼んでたか?」
「本人が居ないんだから良いじゃないか…そんな恐い顔すんなよ」
「でも、やっぱり山百合さん可愛いよな〜」
「まぁ、容姿端麗で運動も学業も優秀な彼女はとてもじゃないが湘には高嶺の花だな」
確かに何事にも普通の俺と彼女では正に月とすっぽん、ファンファンとガンダムだ
「…そんな君に朗報だ…知的な彼女は知的な趣味を持った男性が好みらしい」
「けど、どうすれば良いんだ?俺は囲碁将棋部の入部テストに3回も落ちてるんだぞ?」
ウチの学校の囲碁将棋部は全国レベルだが、入部テストをパスした人間でないと入部できなく
「彼女と同じ部でイヤッホー!」な俺の学校生活は儚い夢となってしまった。
「ふっ…湘、GUNDAMWARって知ってるか?」
「ガンダムわー?…ウォーじゃないのか」
「まぁ、そんな事はどうでも良い…知ってるか?」
きっとガンダム関係の何かなんだろうがそんな商品は星の数ほどあるので俺は首を振った
「そうか…ガンダムウォーとはガンダムのトレーディングカードゲームだ」
「ふーん、それで知的な趣味とどう関係があるんだ?」
「カードゲームだぞ?頭を使うんだぞ?知的だろ?お前の春はすぐそこだ!」
カードっていうと<知的>という言葉より<博打>の方が合いそうな気もするが
「…で、どんなゲームなんだ?まさかガンダムがチョキでザクがグーみたになゲームか?」
「それは知的なものとは言えないだろ…平たく言えばMSとかで相手にダメージを与えいくゲームだ」
「もっと詳しく言ってくれ」
「長くなるが良いな?まずカードの種類には<Gカード><ユニット><コマンド>
<キャラクター><オペレーション>の5種類がある…で内容だが…
Gカードというのは技術者や国民つうの?ほら、シミュレーションとかであるだろ技術レベルみたいの
そんな感じので国力を発生する、国力が多いほど強力なカードが使えるというわけ。
ユニットはそのまんまでMSやMA、戦艦とかのカードだ
コマンドは出来事っていうかパーティーゲームのイベントみたいなかんじのカード
オペレショーンは作戦とかでゲームに常に影響を与えているみたいなカードだ
キャラクターは説明するまでもないがキャラクター、人だ。」
「…う〜ん、それで次は?」
このまま聞いていても分からなそうだが彼が必死に説明しているのでとりあえず聞いてみることにする
「次に当然だが、軍ごとにカードは分かれている。
と言ってもザクとガンダムを同時に使う事ができないというわけではない
さっき言ったGカードには発生できる<色>の国力があるんだ
例えば地球連邦は<青>に属していてジオン公国は<緑>だ
つまり<青>と<緑>のGカードが入っていれば連邦ジオンの連合軍もできるってわけ
「何か制限はないのか?」
とりあえず疑問に思ったので聞いてみる
「特には無いが、あんまり色を多くすると欲しい色がたまらない事になる
たとえばガンダムを出したいのに<赤>と<緑>の国力しか発生していないとか」
「なるほど…やってみようかな?」
「おぉ!そうかやってみるか!じゃあ、とりあえず買いに行こうぜ!」
こうして俺のGW人生が始まった。