暗くなりかけた校舎内を俺は歩いていた
さっき武士に言われた言葉を反芻しながら
「ようは身分をわきまえろって事か?」
でも、新しい何かに挑戦しなくちゃ始まらない
だって俺の人生に挑戦って文字は無かったから
「藤沢君!」
…この可憐な美声は!?
「山百合さん…」
この前といい今日といい最近俺ってついてる?カードも貰えたし
「今日は遅いのね藤沢君」
「まぁ、色々とやっていたから…山百合さんは部活?」
「えぇ…でも、もう終ったから帰ろうと思ってたの…藤沢君も今帰り?」
!その質問は…今帰り≒一緒に帰りましょと受け取って良いのか?
「そうだけど…い、ぃぃ」
いーって俺はショッカーか!?
「…藤沢君、途中まで一緒に帰らない?」
「はい!」
「って事はやっぱり将棋って人によって指し方違うんだね」
「えぇ、けど定跡ってゆうのがあるの」
「定石って囲碁でゆう普通、打つ手でしょう」
「そんな感じ…かな?将棋だと字が違うんだけど、だからある程度はね」
「そうだよね…2手3手先をよまなくちゃ勝てないもんね」
いい感じのトークだ…
「凄い人はもっと先を読むから…けど、相手によって大体動きは読めるものよ」
「ふ〜ん、そうなの?」
「実力で考えると上手くない人は無駄な手が多くて強い人は逆」
弱いと言わないで上手くないという所は山百合さんらしいな〜
「だって強い人は先を読んでるからこちらに隙を見せないの」
「…つまり相手の考えの上を言っているから無駄がないと…?」
「そうゆう事ね上手くない人は自分だけしか見ていない場合が多いから」
「それってさっきの定跡って関係ある?」
「それはもちろん…定跡通り指してれば一定の展開になるからね」
もしかして…GWもそうか?
色やデッキごとにできる事は限られてくるし
何がされ、何に注意すべきかも分かる
それらを考慮して相手の手を読めば…勝利が掴めるのでは?
「どうしたの?藤沢君」
「いや、ありがとう参考になったよ」
「そう、かなり間違いがあるかもしれないけど…」
いや、俺的にためになったから良いよ
「じゃあね山百合さん!」
「さよなら」
今日はGWのコツが1つ掴めた気がした