「つまり、カットインとは効果の割り込みみたいなものなんだな?」

「あぁ、そんな感じだ…後はルールブックで確認してくれ」

俺は昼休みに昨日疑問に思った事を片っ端から武士に尋ねた

「とりあえず、デッキ作ってみたんだ」

「ほぉ〜どんなデッキだ?」

「序盤は軽国力ユニットを配備して終盤は重ユニットを配備するデッキだ」

「スライスデッキってやつか…でも、初心者にはかなり調整が必要だぞ?」

「そうなのか?」

「初心者はよく、万能だと思ってそれをやるんだけど
序盤に軽ユニットがくるとも限らないだろ?その逆も
その辺を考慮しつつ勝てるデッキを作るには
ドロー操作なんかの工夫と調整が必要なんだよ」

「それができないとどうなる?」

「ただの中途半端なデッキ」

中途半端…正に今の俺自身じゃないか〜!

「ウィニ−なんかどうだ?」

「うぃに〜?」

また、わけの分からない単語を

「まぁ、低国力なユニットを序盤から配備するデッキだ」

昨日の本の例の序盤から飛ばすマラソンランナーデッキか

「なぁ、そのデッキの利点ってなんだ?」

「まず、相手の場が整っていないからダメージが通りやすいと言うか
それをそのまま維持してダメージを与えないと負けてしまうが」

「でも、国力が少ないとそれだけ選択肢が少なくないか?」

「使えるカードの範囲事体は狭いが逆にその中からカードを選ぶ所がポイントだし
枚数だけを考えればGを削れる分、カードを他より入れる事ができる」

「Gを削る?」

「そうだ、デッキの必要国力にたいしてGの枚数は変わるだろ?」

「どんな感じに」

「そうだな…軽デッキ10枚前後 中速12枚前後 重デッキ16前後
ただ、ドロー操作なんかとかで色々と変わってくるから一概には言えないな
そもそも何が軽くてどこから重いかの基準も明確じゃないからな」

なるほど…国力に見合ったデッキを作るのがコツか…

「あとな、デッキのコンセプトってやつも大事なんだ」

「コンセプト?」

「つまり、どんなデッキにするかを決めるって事だ」

「どんなって…どんな?」

「だから、ユニットを出しまくって勝つデッキにする!とか
 特定のコンボで勝利をおさめるとかな…
 勝利条件も1つじゃないだろ?」

おや…たしか勝利条件は本国を0にすれば良いのでは?

「その顔だと本国を0にするだけだと思ってるな?
 ルールブックをよく読め!汚染コインとか書いてあるだろ?」

言われるままに俺はルールブックを読んだ

「…つまり汚染コイン10個を持つと負け…と」

「そういう事だ、他にもカードによっては破壊されたら負けだとか
 特定の条件が揃えば勝ちになるようなカードもある」

「よく分かったぞ!サンキュ」

その時都合よく昼休み終了のチャイムが鳴った

「おっと…次の時間、俺当たりそうだから行くわ」

「おう、じゃあ」

そういって自分の席に武士は向かったかが何かを思い出しこちらに帰ってきた

「どうした?」

「湘、辞書持ってないか?」