誰も居なくなった教室

夕日が差し込む君の机

外から聞こえる運動部の声・声・奇声

吹奏楽部の音

そしてガンダムウォーをする漢…2名

「かかってこいよ湘…つっても適当に作ったデッキだけどね」

「ふん、後で泣くなよ」

「さてと、BGMでも流すかな」

そういうと武士は立ち上がり教室のラジカセにCDを入れた

テンポの速い曲…ユーロビートか…

そして、何故か踊り始めるアホ

「対戦するんじゃないの?」

「いや、なんか歌って踊るGWプレイヤーがいるらしいからマネを」

「…赤G配備…エンド」

「おい、勝手に始めるなよ…ドロー、茶G配備…エンド」

「赤G配備、ガルダーヤ配備、エンド」

「茶G配備…ドートレス配備…エンド」

「赤G配備…量産型キュべレイ配備…エンド」

「茶G配備…発掘作業配備…フリーデン配備…出撃、エンド」

「う〜ん…カードが来ない…出撃〜」

そして数ターン後

「えっげ!カード来ないな…エンド」

「湘、手札廃棄しろよ」

「は?何で?」

「手番プレイヤーはターン終了時にカードが7枚以上の場合、6枚になるまで破棄するんだ」

そんなのがあったような無かったような…

「じゃあ、廃棄…ゲーマルク(1弾)ね」

「ん…じゃあ出撃…」

「しょうがない…後が無いからキュべレイ量産型を出撃…破壊だね」

「えっとドートレスとキュべレイ量産型が破壊されて廃棄…で臨時報酬があるから
 バルチャ―ポイントは6…更にサラのテキストを使って…ターン終了時に宝物没収を手札に」

何だ?ばるちゃーって?

「バルチャーってのはバルチャ―のみで構成された自軍部隊の戦闘エリアでユニットが
 破壊された廃棄する毎に合計国力分バルチャーポイントを得るんだ
 でターン終了時に対応したポイント分ジャンクヤードのカードを手札に戻せる
 詳しい事はルールブックを見てくれ」

「こっちはまだ何も言ってないぞ」

そして、結局俺はカードをまともに引くことができずに負けた

「なぁ…何でお前1弾のゲーマルク入れてるの?」

「サイコミュを持ってるからだ」

「前に話ししたよな?コンセプトを持つって」

「あぁ、だからサイコミュデッキを作ったんだ」

「あのな?サイコミュ関係とにかくぶち込めば良いという物じゃないんだ」

「言いたいことは分かるが…」

「おそらくキーになるカードもあまり持っていないだろう…
 そうすると組めないとも言えないが組みづらい
 カード資産の限られた中でデッキを作ることは面白いさ
 ただ、基のデッキのカードの代用を適当に入れるだけじゃ勝てない…
 むしろ、1からお前が作った方が強いだろう
 もっとカード1枚1枚の役割を考えろ」

「カード1枚1枚の役割?」

「そうだ、例えばカードが揃わないなら揃えればよい…
 赤はそれに向いている…サラサ、密約、内部調査等」

「赤は向いている?」

「今のお前のカード資産じゃコンセプトを基に作ることはムズイだろう
 だから、カードを見てからコンセプトを作ってみたらどうだ?」

何となく言いたい事は分かった

小柄な野球選手がパワーヒッターを目指すのは難しい

足が速かったら俊足の選手を目指せという事なのだろう…

「…確かに俺は今まで自分であまり考えていなかったかもしれない」

「まぁ、頑張れよ」

その言葉と1冊の本を残して武士は教室を去っていった

教室にはユーロビートだけが流れつづけていた