「う〜、痛いよ〜」

目の前に1人の女の子が目に涙を浮かべ立っていた

「…大丈夫か?」

…前にもこんな事があった気が…

「大丈夫じゃないよ!」

「元気そうでなによりだ」

「…キミ、人の話聞いてる?」

何故だろう?
彼女にとても懐かしい感覚を感じる…

「…どうしたの?」

「いや、君とどっかで会ったことがあるような気がしたんだけど…気のせいだよな」

「う〜ん、ボクも初めて会った気がしないような気はするんだけど〜何処かで会ったのかな?」

どうやら彼女も同じらしい

「…と言っても俺はここに来るのは7年ぶりだからな〜そんな事は無いと思うんだが」

7年。
俺がこの街に来なくなってから7年経っていた

「…7年?…えっ?…もしかして…キミ…」

「…!…あぁ!もしかして、さつきか?」

思い出した
そう7年前に出逢った女の子のことを…

「久し振り…だね」

「あぁ…元気にしてたか?」

彼女が誰だか分かったが
俺は何か違和感を感じた
きっと、7年という歳月とのギャップを感じているのだろう
そう思うことにした
それよりも今は再会できた喜びを感じていたかった

***

「ごめんね、折角7年ぶりに再会したのに」

「気にすんなって…どうせ暇だし」

さつきが何か大事なモノを無くしたらしいので俺は手伝ってやる事にした

「…で、何を探してるんだっけ?」

そう言えば聞いて無かった…アホだな俺

「え…と、多分…人…かな?」

「人?…じゃあ、あいつじゃないか?」

俺は商店街のフライドチキン屋の店先に置いてあるおっさんを指差した

「多分、あの人じゃないと思うよ〜」

多分なのか?

「じゃあ、彼だろ?」

今度はファーストフード店のピエロ風のナイスガイを指した

「違うと思うよ…それに陽太君、人を指差しちゃダメだよ〜」

…あれって人なのか?

「そうか…じゃあ次は」

俺が洋菓子屋の看板娘を見つけたのと彼女が声を出したのはほぼ同時だった

「あ!」

「どうした?見つかったのか?」

「…知らないうちにお店のメニューが増えてるよ〜」

さつきがクレープの屋台を見つけていった

「何だ?お前が探している人は食えるのか?」

「ぐ〜」

***

その日は結局、クレープを食べただけで何も見つからなかった

「じゃあね、陽太君」

「あぁ」


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約束