いつもの公園でいつものように遊んでいた

近くに住む、同い年くらいの仲間たち

その頃はシャボン玉遊びが流行っていた

誰が一番大きいのを作れるか

制限時間内にどれだけ多く作れるか

そして、誰が一番高いところへ飛ばせるか…

角度が悪かったのだろうか、それとも別の要因だろうか

僕が作ったの物は全然、上に飛ばなかった

だから、高い所へ飛ばすのが一番上手だった女の子がうらやましかった

彼女のシャボン玉は童謡とは違い、屋根まで飛んでも壊れることはなかった


懐かしい夢を見ていた

確か小さい時にシャボン玉が流行った頃の夢

多分、100円ショップで見たから脳が思い出したのかもしれない

あの頃は何でも一生懸命だった

妥協という事を知らなかった

それが良かったのかどうかは分からない

ただ、今の自分にはできない事だと思う

何か一つの事を貫き通す気力など、今の自分にはきっとないだろう

しばらく、ボゥっとしてたら目覚まし替わりの携帯電話のアラームが鳴りはじめた

気力はないけれど、学校には行かなくてはならない

「悲しいけどコレ、現実なのよねぇ」

いつか見たアニメの台詞をまねて口にする

そんな事をしたところで、目の前の現実が変わるわけではないけれど、少しは気分が晴れてきた

そのままの勢いで制服に袖を通せば、とりあえず学校には行けそうだった


戻る ホーム 目次 次へ