「あれ?山百合さんは何処行った?」

放課後の教室、昼休みの続きでも聞こうと思って彼女を探したが見当たらない

トイレか他の教室にでも行ったのだろうか?

「山百合さんなら部活でしょ?」

私のつぶやきに対して背後から美咲の声がした

「それよりも彼女を探してどうするの?」

「いや、引き続き調査をしようと思ったんだけど」

「あのねぇ…」

「…思ったんだけど、部活なら終わるまで待とう、うん」

果報は寝て待て、鳴かぬなら鳴くまで待とう…ホーホケキョ、だっけ?

「待つって…結構遅くまでやってるよ、いつも」

「だから、私達も部活動するんだから問題ないじゃない」

「…するの?」

マジで、と彼女は続けた


「…で、今日は何するの?」

私達には専用の部室がないので当然いつもの2−Aの教室

ただいつもと違うのは珍しく全員揃っているというところか

「今日は、ということはまだ活動してたのか?」

「いつも来ないから取り残されるのよ…しかも間違った情報渡して…」

とりあえず、今日は彼に過ちを認識させるところからはじめよう

「間違ってた?あぁ、ごめん」

「謝罪すれば解決すると思っているの?それでもジャーナリスト?」

こんあ心構えの人間が私の同志とは…情けない

「いや、別にジャーナリストのつもりはないし…」

「百歩譲ってそうでなくてもしても、間違いを起こせば名誉毀損とかで訴えられるのよ」

考えただけでも恐ろしい

「別にあんたには間違ってようが正しくても何も関係なかったじゃん」

「結果から話を始めてもしょうがないのよ、私は過程の話をしているの」

「それを言ったらあなたの話のもってき方の方が問題よ」

さすが美咲、痛いところを的確についてくる…元弁論部だけのことはある

「分かった…今回は処分を下さないけど次回は厳重に処罰するから」

このまま話をしていってもどんどん横道にそれていきそうなので私はそう結論付けた

「はいはい、むしろ今すぐにでも解雇処分にしてくれ」

とりあえず、最初の問題は片付いた

「じゃあ、本題に入るけど…」

一呼吸置き、『タメ』を作る

「恋って何?」


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