「コイって何?」

最初は意味が良く分からなかった

『コイ』とは何のことだろうか?

疑問をそもまま口に出そうかと思ったが

最初、彼女が言った言葉と全く同じになりそうだったので止まった

という事は彼女も意味が分かっていない言葉だろうか?

一番に頭に出てきた『コイ』は魚の鯉だ

だが、鯉は何かと聞かれれば川や池にいる魚だという事は誰でも知っている

では、違うものだろうか…故意、濃い、来い、どれもわざわざ疑問に思うことではない

ということはやはり、未知の物質か謎の人物辺りが妥当なところだろうか?

だとすれば、俺は残念ながら何も知らないので質問にはお答えできないようだ

「…それってこの前と同じ質問じゃない」

どうやら、以前にも彼女は同じ質問をしたようだ

「当たり前じゃない、今回のテーマはそれなんだから」

なるほど、今回のテーマは『驚愕、謎のUMAコイ(COY)を追え』らしい

「テーマは置いといて…それで、山百合さんを調査するとか言って終わりじゃなったの」

ふむ、コイ(COY)はクラスの学級委員の山百合さんと何か関係があるらしい

「終わらないわよ、だから調査するにあたってもう一度テーマを再確認する必要があるの」

再確認という事はコイ(COY)の特徴や目撃場所を確認するという事だろう

「はいはい、じゃあ続けてください」

「コホン、では改め聞きます…恋とは何でしょう?」

それはこちらが聞きたい

「では、意見がある方は挙手して指名された後、発言してください」

「はい」

俺は早速手を挙げた

「どうぞ」

「その、コイの特徴…大きさや鳴き声の有無なんかは?」

「あんた何言ってるの」

お前こそ何を言っている

「だから、大きいのか、小さないのか…それとも見たことないのか」

「…そのものは見れないんじゃない?」

そのものは見えない…どういうことだ

「ちょっと良い?」

俺が悩んでいると横から手が挙がった

「どうぞ」

「何か会話がかみ合ってないと思うんだけど…」

「と言うと?」

「鎌倉君、何か勘違いしていない?」

勘違い?俺が?

「勘違いというと…?」

「あんた、何の話してると思ってる?」

「コイ(COY)の話じゃないのか、UMAの」

もしかしたら本当に鯉の話でもしていたのだろうか?

それにしては鯉そのものが見えないというのもおかしい

「ユーマ?何でイエティとかゴリラの話しなきゃならないのよ」

「いや、卯月…ゴリラって何年前の話よ?」

佐倉が頭を抱えたのはきっと俺だけのせいではないはずだ


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