ランニング 本紹介 ウルトラマラソンマン

GQ誌で「2004年度驚愕の肉体」に選ばれたり、スポーツ・イラストレーテッド・ウーマン誌で「スポーツ界で最もセクシーな男性」の一人に選ばれれたりしたカーナゼス,ディーンさんの本です。

以前は競技者だった著者が30歳の誕生日をきっかけに走る事に目覚め色々なレースに出る本です。
これだけだと良くある話に聞こえますが、走る事に目覚めた後がだいぶクレージーで最初の目標がウェスタンステーツ100です。世界で最も過酷なウルトラマラソンの1つと言われているこのレースから始まり、デスバレーを走るバッドウォーターや南極マラソンを走ったりとエクストリームなレースの内容もりだくさんです。
そして、本書のメインは199マイルを12人で走るリレーレースを1人で寝ずに走り切るという本当にあほな話。

ウルトラマラソンを扱った本だと有名どころではBorn to Runやそこに出てくるスコット・ジュレクのEAT AND RUNあたりが有名ですし、私も好きな本です。
ただ、個人的にはこれらの本よりも「ウルトラマラソンマン」の方が好きです。

理由として、Born to Runはカッパーキャニオンのララムリやまたは一時はやった、裸足感覚のくつやフォアフットというテーマがあったり、EAT AND RUNだとスコット・ジュレクがヴィーガンなのでそういったテーマが感じられます。
一方でウルトラマラソンマンはそういった副テーマ的なものはないので、純粋に壮大なレース記のように読むことができると思います。

レース場面以外でも、走りながら宅配ピザ頼んでみたり、ヒッチハイクしてドライブスルーで注文してみたりとちょいちょい面白いエピソードが出てくるのポイントが高いです。また、これらの補給シーンで語られる食物の描写が秀逸でレース中の空腹時に確かに欲しくなるような感じなのでランナー目線でも面白いです。

個人的にこの本の中で印象的な部分はウエスタンステーツ100のゴールでの『もしこの連中が純粋な感動と情熱を求めていたのなら、彼らはまさにそれに立ち会うことになったのである』という一説です。
過酷なトレイルマラソンでなくてもどんな距離、タイムでも全力を尽くしたランナーの姿はまさにこの言葉の通り人々に感動を与える、そう感じられます。

他にもスタート時のシェイクスピアの引用のスピーチの部分なんかはたまにレース前に頭の中で反芻してテンション上げたりしてますし、苦しい時にはこの本の中に出てくるレース中のエピソードなんかを思い出して、リンクさせたりしてます。

レースに役立つようなことはまったく載っていませんが、冒険譚として非常によくできた本だと思います。
私はこの本を読んでまぁ、199マイル走ろうとは思ってませんがいつか250kmのレースには出てみたいと考えるようになりました。

数あるランニングドキュメンタリー系の中でもおすすめの一冊です!

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